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(70)“十七人のうち四人も人間国宝を輩出した讃岐漆器の技”

 漆器(しっき)は、木や竹などに漆(うるし)を塗り重ねて作る工芸品です。英語で漆器はjapanと呼ばれたことからも判るように、欧米では日本の特産品とされています。
 香川の漆器は、江戸時代に藩主の保護と奨励のもと発展しました。寛永15年(1638年)、松平頼重が高松に入封し、漆芸や彫刻技法を奨励しました。以来、高松藩主は茶道・書道に付随して漆器づくりを奨励し、讃岐の漆器が芽生えました。幾人もの名工のなかでも、注目されるのは後に香川漆器の始祖として、後世に多大なる影響を残した 玉楮象谷(たまかじぞうこく)です。

 象谷は、江戸時代後期の文化3年(1806年)、高松城下磨屋町(とぎやまち)の鞘塗師(さやぬりし)、藤川理右衛門の長男として生まれ、幼いときから父に技法を学びました。20歳で京都へ遊学し、塗師、彫刻師、絵師らと交友を深め、やがて、中国の明時代や東南アジアの漆芸技法を幅広く研究し、そこに日本古来の漆芸技法を加味して、存清(ぞんせい)、蒟醤(きんま)、彫漆(ちょうしつ)の漆芸技法を開発しました。
 高松藩の松平頼恕(よりひろ)・頼胤(よりたね)・頼聡(よりとし)の3代の藩主に仕え、今日の香川漆器の基礎となるさまざまな漆芸技法で、数多くの作品を残しました。この功績により象谷は香川漆器の始祖と呼ばれています。明治2年、64歳で亡くなりました。
 象谷の代表作には、「一角印籠(いっかくいんろう)」、堆黒の「松ヶ浦香合」、存清の「古鏡箱」、堆朱の「鼓箱(つづみばこ)」、彩色蒟醤の「料色箱並びに硯箱」があげられます。
 また、高松藩の町奉行の子に生まれた後藤太平は、渋味のある漆塗柄を研究し、下絵についた塵の文様にヒントを得て、のちに「後藤塗り」と呼ばれる新しい漆芸技法を創案しました。
 
 これらの先駆者によって開発された香川の漆芸の伝統は、明治以降も継承・発展し、漆芸分野で人間国宝(無形重要文化財)に指定された工芸家は、現在まで全国で17人ですが、このうち4人までが香川漆器の工芸家です。すなわち、彫漆の故音丸耕堂(1898~1997)と、蒟醤の3人すなわち故磯井如真(1883~1964)、磯井正美(1926~)、太田儔(ひとし)(1931~)です。現在も2人の人間国宝が活躍中で、この2人を筆頭に、数多くの漆芸作家および香川漆器職人が、その技を現代に伝えています。
 高松を中心にした香川の漆器の技は高く評価されており、今でも北海道から沖縄まで販路が広がっています。
○訪れてみたいところ

玉楮象谷の像
 高松中央公園にあります。
象谷座像

香川県漆芸研究所
 香川県の伝統的な漆工芸の技法を伝承するための後継者養成施設として、昭和29年に設置され、今日まで多くの著名な漆芸作家や漆器業界で活躍する優れた技術者を輩出するなど、漆工芸の拠点施設として重要な役割を果たしてきています。

香川県文化会館
 昭和41年、建築家大江宏の設計で開館した、和と洋を「混在併存」させた名建築は、コンクリートに抱かれた総ヒノキの芸能ホールや茶室を有し、展示室では、常設展や特別展が多彩に開催されています。平山郁夫などの日本画、猪熊弦一郎らの洋画、イサム・ノグチなどの彫刻、玉楮象谷、石井磬堂らの香川漆器の秀作など、県出身の先覚作家や現代作家の作品を中心に約1900点の収蔵品があります。
 香川漆器の技法のうち次の5つは、経済産業省から「伝統的工芸品」に認定されています。
蒟醤(きんま)
 タイの植物の実の名称だといわれ、何回も塗り重ねた漆の上にケンで模様を線彫りしてそのくぼみに色漆を象する技法です。漆の麺を彫るという点では、沈金と似ていますが、朱漆、黄漆の色ごとに彫り上げ充槇させる作業を繰り返し、全部の充槇が終わると表面を平らに研ぎ出す独特の技法です。香川漆器の代表であるといわれており、香川漆器の先駆者・玉楮像谷翁の「蒟醤料紙箱」などの作品は重要美術品に指定されています。

後藤塗り
 別名「梧桐塗」とも書かれますが、香川の発案者である後藤太平の偉業をたたえて「後藤塗」として知られています。最初余技としてほり抜盆、茶道具に塗られていましたが、塗りの堅牢さと優雅さから広く愛用され、大正の初めのころからは一般にも香川の特産品として、座卓、小箱、盆などにも塗られるようになりました。

存清
 この技法は、中国から室町中期に伝えられたといわれており、そのころは珍品として一部の貴族の間で愛好されていました。その後、玉楮像谷が中国の古い技法に、新しい技法を加え日本的なものにしたのにしたのが始まりです。象谷は、中国の名称「存清」の名をそのまま名称にしました。存清の技法は、黒地、赤地、黄地などの上面に、色漆で模様を描き、その図家の輪郭をケンで毛彫したり、金泥でも隈取りするのがあります。

彫漆
 中国の推朱、推黒、紅花緑葉など、振り重ねた漆の層を彫刻する技法として日本に伝えられました。漆塗のなかで一番漆の特徴が生かされた技法です。技法は、何層にも塗り重ねられた色漆の層を考慮しながら、精密に計算されたケンの動きによって絵模様を彫浮かべていきます。

象谷塗
 漆を数回重ね塗りをして、その上に川や池に群生している真菰(まこも)の稈の中に入っている粉末を漆のうえに撒く塗り手法です。使っていると、歳月とともに渋味を増し、象谷塗独特の陰影が色調にでてきます。存清蒟醤とともに古くから香川に伝わる漆塗手法で、創始者、玉楮像谷の名をとり、「象谷塗」と呼ばれています。
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テーマ : 香川
ジャンル : 地域情報

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