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(149)“高松の地下にある謎の巨大クレーター”


 高松市南部の仏生山周辺は、高松松平藩主の菩提寺である法然寺のほか、田村神社、一宮寺、船山神社など由緒のある社寺があり、歴史を感じさせる趣が漂っています。また、ため池と里山が織りなす優れた景観の地でもあります。法然寺の裏山に登り、南の方を見ると、右手眼下に「平池」、その左方に円錐形の姿のよい小山が並んでみえます。北から南に日山(ひやま)、馬山(うまやま)、実相寺山(じっそうじやま)と一直線に連なり、そこから東へ日妻山(ひづまやま)、上佐山(うわさやま)と連なります。これらは「高松クレーター五座」と呼ばれています。

 平成元年、金沢大の河野芳輝教授らのチームは、観音寺市と高知市を結ぶ線から東側の四国において、ほぼ2キロ置きほどの間隔で重力異常の調査をしていました。そのとき、高松市と香川町の境あたりで重力異常地点を発見しました。その後、チームは6年をかけ、密度を濃くした重力異常調査のほか、磁場の強弱で地下構造を推定する地磁気異常調査、跳ね返る音の角度や時間で内部の様子を探る人工地震波反射法調査などを重ねていきました。
 その結果、仏生山公園を中心とする直径8キロの地域の下に直径4km、深さ千数百メートルのお椀型のくぼみが地下に眠っていることを突き止めました。そこから、このクレーターの内側にある5つの里山が、「高松クレーター五座」と呼ばれるようになりました。このクレーターは、容積が約196億立方メートルで、地下には約20億トン(早明浦ダム約7杯分)の水源があると推定されました。しかし、厚い堆積物が溜まって表面の大部分は周囲の平野と同じ高さの平らな土地になっているため、飛行機や山の上から眺めても盆地状の地形を判別することはできません。

 その後、研究者の間において、このクレーターの成因をめぐり、火山カルデラ説(コールドロン説)と隕石衝突説が唱えられ、論争が行われました。
 カルデラ説は、高松付近は瀬戸内火山帯に属しており、この火山帯には愛媛県石鎚山や愛知県設楽盆地などの火山性陥没構造である過去のカルデラがみられること、高松クレーター内部の掘削試料が厚い火砕流堆積物であること、隕石説の証拠となる高圧変成鉱物が未発見であることなどから、火山活動の活発化による噴火が大量の火砕流堆積物を噴出させてできた火山性の陥没構造のカルデラ跡(コールドロン)であると主張しました。そして噴火が起きたのは、1400万年から1200万年前の新生代・新第三紀・中新世中期サーラバリアン期だと推定しました。
 これに対して隕石衝突説は、激しい衝突で変化した痕跡のある岩石や、隕石由来の金属粒子、衝撃による熱で岩石が溶けガラス状になった組織が発見されたことなどから、同じく新生代・新第三紀・中新世中期で約1530万年前のランギアン期に隕石が衝突してできた衝突孔だと主張しました。そして、衝突の時期を、火山活動が活発化する数百万年前だと推定しました。
 なお、新生代・新第三紀は現生生物の多くが出現し、特に哺乳類が繁栄・大型化した時代で、その中で中新世中期は、日本がアジア大陸から離れて弧状列島になっていく頃です。

 こうして、平成15年(2003)11月24日、世界のクレーター・リストを作っている国際クレーター登録委員会(本部・カナダ)のメンバーが現地を訪れ、隕石によるクレーターかどうかを調査することになりました。しかし、隕石が衝突したという証拠がまだ不十分だという理由で、翌年5月9日、隕石クレーター国際リストへの登録は見送られました。どちらの説にせよ、高松クレーターが形成されたのは、人類がまだ存在してなかった1400~1300万年前の時代と考えられ、高松平野の真ん中に大きな地下クレーターがあるというのは興味深いことです。

 この高松クレーターほど雄大な話ではありませんが、讃岐では近年に、隕石が落下しています。
昭和61年(1986)7月29日午後7時すぎ、「ババーン」、「ドドドーン」などの大音響とともに国分寺町とその周辺に隕石が落下しました。この隕石は南東から飛来し、上空で多数の破片に分裂し、隕石シャワーとなって落下したものです。落下した隕石は13個で、重さは最大10kg、最小3g、合計11kgありました。日本では、明治42年(1909)の美濃隕石以来77年ぶりの隕石シャワーでした。
 落下の模様は目撃され写真にも記録されました。また、落下直後新鮮な状態で採集されたため非常に重要なデータを学会に提供し、ロンドンの大英博物舘に「国分寺隕石」として正式に登録されました。
 日本で一番県土面積の小さい香川県で、地球の地質時代や宇宙に関係する物語があるのはおもしろいことです。

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(90)“太古の時代に石器として使われていた讃岐の名前がついた石”

 坂出市東部にある五色台及びその付近の山頂では、地元の人が「カンカン石」と呼ぶ石を産出します。叩くと「カーン、カーン」という金属音を発し、心地よい余韻を残して響きます。共鳴を起こしやすく、石琴などの楽器にも使われています。人々は、この岩石を江戸時代のころから「馨石」(けいせき)とも呼び、親しんできました。
 表面は黒色で、割ると貝殻状になります。古銅輝石(こどうきせき、マグネシウム分が多い輝石)の結晶を多量に含む安山岩の一種で、今から約1000万年前に瀬戸内地域で起きた火山活動によって地上に噴出したマグマが冷え固まってできた岩石です。水晶より硬いガラス質で、砕くと鋭利な断面が現れます。音色が良いのは、この石が均一なガラス質で大きな結晶粒が混じっていないため音の吸収がなく、石全体が共鳴現象を起すからです。

 この石は、紀伊半島中部から瀬戸内を経て九州北部に至る帯状の地帯の中の極めて限られた地域からだけ産出します。最も多く産出する地域は香川県で、その中でも坂出市の金山や城山、五色台付近のみに限られています。香川県外では奈良の「二上山(にじょうざん)」、佐賀の「鬼の鼻山」などだけです。
 学名は、sanukiteサヌカイト)といいますが、この名の由来は、ドイツの岩石学者ヴァインシェンクが産地の讃岐にちなんで命名したことによります。サヌカイトを和名でいうと「讃岐岩」です。

 瀬戸内海火山帯の活動にともなう火山岩類及び淡水性の堆積物は、下部より花崗岩の基盤上に、火山から噴出された火山灰が堆積してできた岩石である凝灰岩(ぎょうかいがん)、角張っている礫岩である角礫岩(かくれきがん)、古銅輝石安山岩でサヌカイトとよく似た岩石である讃岐岩質安山岩の順に重なって層を形成し、その上をサヌカイトが平面状に覆っていました。それが風化・侵食作用で、メサと呼ばれる屋島、五色台、城山などの平頂台地や、ビュートと呼ばれる飯野山をはじめとする円錐形台地となり、今日に見られる讃岐独特の風景を形成していきました。
 サヌカイトは山頂付近に産し、朽木のように見えるものがありますが、これは溶岩が地下から上昇して地表面に流れたことを示す流理模様が風化したときに現われたものです。

 ところで、このサヌカイトでできた石器が瀬戸内海のまわりにおいて数多く発見されています。この石は、薄く割れる特徴を持ち、割れると鋭い縁をもつことから、石器に適しており、太古の時代には尖頭器や石刃などに加工され盛んに使われました。
 3万年前から1万年前までは旧石器時代と呼ばれていますが、この時代の遺跡が瀬戸大橋の架橋工事に伴って多数発掘調査されました。それによれば、与島西方遺跡では約13万点、羽佐島遺跡では約35万点を数える膨大な数の石器やその破片が出土しています。石の種類を調べてみますと、全体の98%近くがサヌカイトを材料にするものだったということです。
 国分台、青峰、蓮光寺山、城山などサヌカイトを頂く坂出周辺の山々は、海にも近く交易にも地の利があります。地球の温暖化に伴う海進現象によって縄文早期にほぼ現在の瀬戸内海が形成されましたが、サヌカイト製石器や原石は丸木舟によって讃岐から各地に移出されたものと考えられます。

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(77)“瀬戸内の分水嶺だった瀬戸大橋架橋の島々”

 瀬戸内海の沿岸部や島々には旧石器時代の遺跡が点在し、沖合では漁師の底引き網などで象などの化石が引き揚げられています。これは、化石をふくんでいる海底の地層が強い潮流により掘られ、埋まっていた化石が出てきたものです。引き上げられた象の化石の多くは、ナウマン象のものです。それは北海道から沖縄まで広く発見されており、なかでも瀬戸内海の海底から最も多く見つかっています。
 ナウマン象は、今からおよそ30万年~1万6千年前(中期更新世後半~後期更新世末)に生息していた象です。体は現生のアジア象と比べやや小型ですが、2mを超す大きな牙を持っており、寒冷な気候に適応するため皮下脂肪が発達し全身が体毛で覆われていたと考えられています。学名はパレオロクソドン・ナウマンニといい、ドイツの地質学者エドモンド・ナウマンにちなんで名づけられたものです。

 およそ200万年続いた洪積世の時代、地球は北半球を中心に5~6回にわたり寒冷な大氷河期に見舞われました。氷河期には海水や河川などの水分が凍結して海水面が著しく低下し、氷河期の間の間氷期には海水面は上昇しました。
 このような海水面の上昇・低下を繰り返し、約2万年前のヴェルム氷河期最盛期には海面が現在よりも100~140mも低下し、日本は大陸と陸続きの状態になっていました。ナウマン象も氷河期の寒さから逃れるために日本へ移動してきたと考えられています。このとき、日本人の祖先も大陸から動物たちを追って日本列島に住み着いたといわれています。

 約1万年前~200万年前の旧石器時代、瀬戸内海は陸地で、東西に長い帯状の地溝帯にメタセコイヤ、モミやツガが生えた台地や湖沼が点在する湿地や泥炭地の草原が広がっていました。そして、現在瀬戸大橋が架橋されている塩飽諸島の島々が、備讃瀬戸山脈を形成し、分水嶺となっていました。そして、そこを境に、中・四国山地から流れ込んでできた川が東と西に分かれて流れ、東瀬戸大河は芦田川、沼田川、重信川等が伊予灘あたりで周防灘方面よりの水流と合流し豊後水道へと達していました。また西瀬戸大河は旭川、吉井川、香東川等を源流とし、播磨灘、明石海峡を通り大阪盆地まで迂回し紀伊水道へと達していました。
 海水が流入する以前の瀬戸内には、中・四国山地から河川が流れ込んで湖沼ができ、水辺にはナウマン象やオオツノシカなどの大型の動物が集まり、人々は狩りに適した丘の上で生活をしていたと思われます。そして、そして、旧石器人サヌカイトの石器を道具とし使い、ナウマン象などを狩猟の対象としていたのでしょう。

 しかし、今から1万年ほど前、氷河期が終わり沖積世になると、地球は温暖化し氷河の大部分が溶けて海水面が上昇し始めました。これによって大陸と陸続きであった日本は次第に孤島化し、それまで陸地であった瀬戸内海にも海水が流入し始めました。海面の上昇は約6000年前の縄文時代前期頃にピークを迎えたとされており、海面は今より3~5メートル高く、日本列島の海に面した平野部は深くまで海が入り込み、気候は現在より温暖・湿潤で年平均で1~2℃気温が高かったと考えられています。日本ではこの現象が生じたときが縄文時代にあたりますので、「縄文海進」(じょうもんかいしん)といわれています。その後、海面は再び下がっていき、現在の瀬戸内海の姿になっていきました。

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(57)“七つも富士のある讃岐平野”

讃岐富士

 全国各地には富士と名のつく山がたくさんあります。それらは、その姿が富士山に似ているとか、その地の代表的な山であることから富士と言われるようになったものです。

 讃岐平野は四国の北東部に位置し、北の瀬戸内海と南の讃岐山脈に挟まれた東西に伸びる細長い平野ですが、この平野にポコンと顔を出したオムスビ山と呼ばれる、ほとんど円錐形に近い形をしたビュートという山々が多く見られます。これらの中でも、特に富士山に似た形をして姿の優れている七つの山が、讃岐七富士と古くから呼ばれています。

 この七山とは、讃岐富士(①)、三木富士(②)、御厩富士(③)、羽床富士(④)、綾上富士(⑤)、高瀬富士(⑥)及び有明富士(⑦)です。なお、讃岐七富士ではありませんが八冨士の一つとして陶冨士(⑧)が数えられることがあります。どの山もお椀をひっくり返したようなおだやかな稜線をえがいているのが特徴です。

 讃岐平野は、今から約1400~1100万年前の火山活動で溶岩に覆われたと考えられています。そのときできた溶岩台地はその後雨水や風で侵食されていきましたが、岩質の違いの重なり方が、オムスビ型の山をつくった主な原因であると考えられています。つまり、山頂部は浸食作用に強い「安山岩」、その下の低山部は浸食作用に弱い「花崗岩」でできていたため、花崗岩の部分が崩れ、侵食されにくい安山岩に覆われた上部だけが小高い丘として残ったと考えられています。その証拠に、これらの山の山頂には安山岩の柱状摂理を見ることができます。これは火山岩が冷却や圧縮を受けてできた柱状の割れ目です。

 その後河川の堆積作用によってできた沖積平野が讃岐平野で、平野が広がるにつれ島であったところが陸続きになり、山となったと考えられています。
 

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